続『少女革命ウテナ』20周年に向けて――ウテナの総合力
2017年4月2日で放送開始から『少女革命ウテナ』20周年ということで先日からやっているエントリー。
『少女革命ウテナ』20周年に向けて――ウテナとの出会い - つぶやきの延長線上
ウテナは『美少女戦士セーラームーン』でシリーズ・ディレクターや『劇場版美少女戦士セーラームーンR』で監督をした幾原邦彦の初監督作品。その後『輪るピングドラム』(2011)、『ユリ熊嵐』(2015)などの作品を手掛けている。彼のアニメはメタ的な視点や前衛的な演出と、普段見ているアニメよりもちょっと難解だったり、奇抜な作品だな〜と思う人が多いのではないだろうか。彼のフィルモグラフィーで見ても特に『ウテナ』は「なんじゃこりゃ」ってなるアニメじゃないだろうか。それが彼の作家性なのか?と言われると、違った要素もあるかもしれない。僕はウテナという作品は彼一人の能力というよりも、総合力でここまでの傑作になったと思っている。
脚本担当は『セーラームーンS』(1994)や『エヴァ』(1995)でも活躍した榎戸洋司。その後も『フリクリ』(2000)や『トップをねらえ!2』(2004)、『桜蘭高校ホスト部』(2006)、『STAR DRIVER 輝きのタクト』(2010)などの脚本を担当している。
絵コンテ陣営もすごい。
橋本カツヨは細田守の別名であるが、細田以外にも、『天使になるもんっ!』(1999)、『あずまんが大王』(2002)、『ふたりはミルキィホームズ』(2013)等々の錦織博。そして、『桜蘭高校ホスト部』(2006)、『STAR DRIVER 輝きのタクト』(2010)の風山十五(五十嵐卓哉)名だたる陣営が作品を彩る。
彩りといえば美術監督はあの小林七郎だ。『ガンバの冒険』(1975)、『エースをねらえ!』(1979)、『宝島』(1978)、『ゴルゴ13』(1983)…(挙げるときりがない)等々であの出崎統と一緒に仕事をしており、彼の背景美術に酔いしれることが何度もあった。
考えてみればきりがないほどに、凄腕陣営による総合力の賜物のような作品だったと感じられる。
僕は『エヴァ』をリアルタイム視聴していないので、あまり思い入れがないのだけど、その代り『ウテナ』から陣営の作品を辿ったり、小林七郎から出崎統を辿ったりした。
原体験ってのをあまり信用し過ぎないほうがいいと思っていたりするのだけど、今、自分が何が好きでって辿っていくとやはりウテナに到達することが多々ある。それと同じように他人が何をいちばん初めに好きになったり、気になったか、そして、どんなふうに歴史を辿っていたのかを見ていくと、なるほどなーってなって面白かったりするんだよね。
やっぱり多数決にすると、そりゃ一般的に幅広く見られている作品しか取り上げられない。誰が、何を、どんな想いでってのが大事だったりする。前にぎけんさんところでやった「アウトライターズ・スタジオ・インタビュー」とかいい企画だったと思うんだよね。
話がそれた。
しかし、コンテとか美術とかの観点(レイアウト含め)に着目してアニメを見るようになったけれど、ついには、作画オタクにはならなかったなあ。作画みたいなミクロ的観点から、主題につなげていくのも面白いと思うんだけど力量がないなあ。では(これはまだ続くんだろうか)
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