最近聴いた音楽 vol.6

もう3月も終わりそうで来年度かーと忙しなさを肌で感じています。Kalmah来日いきたかったなーとか思いながらも、4月にKhmerがあるし…と来月が待ち遠しいです。ということで気まぐれ更新の音楽編。

◼FRIENDSHIP EP

千葉県産ブルータル・ハードコア FRIENDSHIPの16年発売5曲入りのEP。暗いだとか、激しいとかそういった形容詞がFRIENDSHIPに通用するかというと、このバンドにもはや何を言っても音の前に圧倒され言葉を無くしてしまう。そんな凄みがある。ひたすら暗黒で、ひたすらヴァイオレンスで、ひたすらブルータルで暴力の化身のような音楽だ。暴走した獣が目の前まで迫ってくるようなノイジーなブラストパート。パズルのピースのように楽器陣の息のあったグルーヴ感あるスラッジパート。荒れる会場が目に浮かんでくる。超強力盤!

◼BIRDS IN ROW 『Personal War』

Personal War

Personal War

フランスのカオティックハードコアBIRDS IN ROWの2015年7曲入りEP。1stに比べるとキラーチェーンが減ったように思えるが、ミドルテンポの曲が非常に気持ちいい。極限にまでにエモいヴォーカルと色彩豊かに泣かせる叙情的なギターの音色。瞬発力の高いドラミングと…音楽好きでよかった…と心底思う美しいアンサンブルを奏でてくれる。また来日してくれ。

◼GREENMACHiNE 『FOR THE NIGHT AND BLOOD EP』

FOR THE NIGHT AND BLOOD EP (フォー・ザ・ナイト・アンド・ブラッド EP)

FOR THE NIGHT AND BLOOD EP (フォー・ザ・ナイト・アンド・ブラッド EP)

彼らのライヴを一度でも見たことがあるならば、彼らの熱き魂やファンたちの熱気にクラっと心を持っていかれるのではないだろうか。金沢のハードコア/ヘヴィロック/スラッジ GREENMACHiNEの再始動となる2016年EP!昨年末に伝説的な3rdアルバム『THE ARCHIVES OF ROTTEN BLUES』*1が再発されたのは記憶に新しい。さて待望の『FOR THE NIGHT AND BLOOD EP』。すでにライヴで体感した方も多いだろうが、出だしの一瞬で「これぞ!GREENMACHiNEだ!」といった印象を覚えるだろう。腹にボディブローを打ち込まれているようなロックンロールで、今にもCDから飛び出してきそうな熱いハードコアで、そのふたつが見事に溶け合い絡まり合い天にも昇るような気持ちにさせてくれる。今年のベスト音源候補でしょう!素晴らしい。

◼ZAY 『Silence and clamor』

ex.ACROSTIXのSin氏(Ba/Vo), ex.D-CLONEのHiroshi氏(Gu/Vo), CONTRAST ATTITUDEのGori氏(Gu/Vo), ex.ADA MAXのUG氏(Dr)といった面々で結成された三重発メタル・クラストハードコアZAYの3曲入りデモ。先日のGREENMACHiNE招聘のZAYイベントで初めて見て面白いい音を出していたのでデモ購入。静寂な闇夜を創造する壮大なインストから、暴動へ転ずるイントロパート。ひとこといってしまえばメタルクラストなのだろうと思うが、そこにエクスペリメンタルミュージック的な雰囲気を持ってきていて面白い。ライヴもかっこよかったですよ。

◼Sabbat / second to none 『Naked Breakers』 Split 7

三重の伝説Sabbatと今年1stアルバムをリリースしたメタリックハードコアsecond to noneの7インチスプリット。リリース前からかなり話題となり、白盤・赤盤の2種(内容一緒)がすぐにソールドアウト。予約しておいて白盤をゲトしました。sabbatはすでに30年走り続けているバンドですが、ほんと変わらないイーヴィルなメタルをやってる。疾走感のあるスピードメタルは気持ちいい。黒魔術リフに悶絶!そして、220!これが名曲だ。ドゥーミーなリフと地獄の底から殺意を訴えかけるようなグロウル。単なるヘヴィネスではなくリズム隊が徐々にドゥームに色づけしてバランスを破壊していく。あくまでメタリックなハードコアとして聴いているが、ドゥーム色が強い。ラストへ雪崩れこむギターソロに酔いしれ!見事!

◼second to none 『Bab-Ilu』

大阪のメタリックハードコアsecond to none待望の1stフルアルバム。ドゥームやスラッジやデスメタルブラックメタルなど、日常からかけ離れた暗黒世界を表現するバンドは山ほどいるが、second to noneほど地獄からせり上がってきたようなヘヴィネスで混沌とした世界観を表現するのは難しいだろう。重くて遅いメタルでありハードコアでもあるが、たんにスラッジやドゥームとはいえない音楽だ。ひたすら極悪過ぎてアルバム通すと疲労度がハンパじゃない。今年ベストクラスの一枚になるだろう。

別冊ペキンパー JAPANESE HARD CORE伝説 片手のパンクスMASAMI

別冊ペキンパー JAPANESE HARD CORE伝説 片手のパンクスMASAMI

*1:ETERNAL ELYSIUM岡崎幸人のリマスタリングが加わった。