最高にPOPでBRUTALな2014年音源ベスト10!

さてさて、年末ということで今年の新譜ベスト10発表です。

1.Teitanblood 『Death』
2.Vampillia 『The Divine Move』
3.isolate 『ヒビノコト』
4.Gazpacho 『Demon』
5.Triptykon 『Melana Chasmata』
6.Anathema 『Distant Satellites』
7.Behemoth 『The Satanist』
8.Vallenfyre 『Splinters』
9.ENDON 『MAMA』
10.The Donor 『AGONY』

以下軽く感想。

1.Teitanblood『Death』

一瞬で世界を暗黒へ変えるブラッケンド・デスメタルTeitanbloodの2ndフル。今回選んだ音源の中でも、いわゆる耳にウルサイ音楽の代表のような存在。ドラムはひたすらブラストビートを繰り出し、ボーカルは野獣のように叫び続ける。ブラストの速度は恐ろしいものだが、それに加えドゥーミーなパートが盛りだくさんなことと、長尺な曲が多いことから、ブラックメタル的儀式音楽にも聴こえてくる。この世の全ての憎しみを詰め込んだアルバムだ!

2.Vampillia『The Divine Move』

大阪のブルータル・オーケストラことVampilliaの今年一番POPでBRUTALな編集盤。このオーケストラ、グロウル、オペラ、ブラック、フォーク…(もうわけわからん)奇妙な編集盤であるが、総合すると実にPOPである。訴えかけてくるメロは実に日本的であるし、とてもキャッチーだ。実にVampillia入門的な名盤かと思われ。ちなみに、同時期にでた『My Beautiful Twisted Nightmares In Aurora Rainbow Darkness』も素晴ら〜なアルバムです。

3.isolate『ヒビノコト』

東京の激情/ブラッケンド/ハードコア・バンドの1stフル。Vampilliaがジャンルを上手く集約させた音だとすると、こちらは激情ハードコア、ブラックメタル、ブラッケンドデスメタルをクロスオーバーさせジャンルの垣根をぶち壊す音。今年は、レコ初ツアーでHexisと一緒に鑑賞したが、高速ブラストビートと激情ハードコア精神が入り交じりトンでもないライブとなった。全てのエクストリーム音楽ファンに捧げる名盤。

4.Gazpacho『Demon』

ノルウェープログレッシブロックバンドの8th。アルバムタイトル『Demon』の通り「悪魔」がテーマになっている。ただ「悪魔」と言ってもブラックメタル的なアプローチのソレとは一線を画す。透き通るようなウォーカル、アコーディオン、ピアノ、ヴァイオリンと酷く美しい旋律が、幽玄さを際立て、聴いている僕自身が融解していく…。デスメタル・ハードコアサウンドに疲れた身体にこの一枚を。

5.Triptykon『Melana Chasmata』

Celtic Frostによる、ドゥーム/デスメタルバンドの2nd。まさに核が違うと言える暗黒サウンド。その荒々しいボーカルのソレはハードコア的なアレ(適当)。パワフルでひたすら暗黒。寝てても目が覚めても暗黒…

6.Anathema『Distant Satellites』

ポスト・プログレッシブ・ロックバンドAnathemaの10th。前作があまりにも傑作過ぎたので、超えるのか?超えないのか?という不安があったが、そんな心配はアナセマに不要であった。前半は、歌メロ重視の男女混合ボーカルによる天国への招待。美しい旋律が、身体をふっと軽くし、全てが浄化されていく…。後半は実験音楽のようなことをしていますが、まあ、これがアナセマだな〜

7.Behemoth 『The Satanist』

ブラックメタル/ブラッケンドデスメタルバンドの大ベテランBehemothの10th。近年の彼らの作品は、ブラックメタルから離れ、ブルータルデス/ブラッケンドデスに密接した音楽性だったが、今回の10thはそこからかけ離れブラックメタルの領域へ大きく舞い戻ってきた。ただ、戻ってきたと言いつつも、ブラックメタル特有のプリミティブさはないし、サウンド・バランスもブラックメタルとは言いがたい。それに、初期のコールド・ブラックのような冷たさよりも、血がたぎるアツい音に占領されている。感覚的には、Emperorの『Prometheus:The Discipline oF Fire&Demise』と出会った頃のような感覚。それと、何より褒め称えるべきはネルガルのヴォーカルパートだろう。ここまで、暑苦しく、悪魔のようなグロウルは業界屈指である。もう一度ブラックメタル史を再確認したくなる。そして、ブラックメタルのジャンル以上にヘヴィメタル史に残る傑作だろう。ベテランの底力恐るべし!

8.Vallenfyre『Splinters』

オールドスクールデス/ハードコアの2ndフル。その重量感はデスメタルであり、その突進力はハードコアのソレ。しかしながら、ドゥーミーなパートではゴシック・ドゥームのような音色を響かせる、何気に多彩な音を出すバンドだ。ドラムの音もガチガチのドカドカで鋼鉄そのもので、重戦車の総攻撃!たまらない!ヘヴィなアルバム。

9.ENDON『MAMA』

ノイズにハードコア、ブラックメタル要素をブレンドしたENDONの1st。都内では数多くのハードコアイベントに参加し、ハードコアなLIVEをしているとのこと。こちらは、以前エントリーしているので、説明は簡単にしておくが、ノイズながら、キャッチーであること、そしてバンド的音楽を忘れないこと(ハードコア/ブラックメタル)。ノイズだからと敬遠せず聴いて頂きたいエクストリームな1枚だ。

10.The Donor『AGONY』

日本海の荒波にもまれまくった金沢のドス黒いヘヴィなハードコアThe donorの1st。LIVEでは重機が全速力で駆けてくるっと言った印象で、ものすごくヘヴィかつ疾走感がある。3ピースながらパワフルなバンドであり、ハードコアは勿論、メタル、スラッジ、クラスト、グラインドをクロスオーバーさせたサウンド。全エクストリームミュージックファンに届けたい1枚。


■まとめ
今年も大した数の新譜を聞いた訳ではないですが、たくさんのバンドが思い思いをぶつけていて良かったです。来年もヘヴィメタル・ハードコアの景気が良くなりますように。