神とか云々…やかましい『トゥ・ザ・ワンダー』を観ました。※ネタバレあり

[あらすじ]
エンジニアのニール(ベン・アフレック)は旅行で訪れたフランスのモン・サン・ミッシェルで、シングルマザーのマリーナ(オルガ・キュリレンコ)と出会い付き合うことになる。アメリカで一緒に暮らし始めた二人だったが、やがて心が離れていくように。そんなある日、ニールは学生時代の友人ジェーン(レイチェル・マクアダムス)と久しぶりに会い、やがて彼女に心の安息を感じるようになり……。(yahoo映画より)

[感想]
映画ってのは、受け取り側(観客)のスタンスとかポジション、又はその時の気持ちで捉え方が180度変わってしまうことがあります。特に小難しい映画や賛否両論と呼ばれる映画はそのようなものが多い。それが今回の『トゥ・ザ・ワンダー』でも同じことが言える。
テレンス・マリックは前作『ツリー・オブ・ライフ』で、旧約聖書を引用し、ごく私的な映画を完成させた。個人的には、度肝う抜かれる恐竜シーンとかCGシーン省けば凄く名作映画になっていたのではないかと思っていたけど…テレンス・マリックのやりたいこと的には省けなかったんだろうなと理解して、まあ酷いけど、悪くはないかなくらいの感想だったんですけどね。

前作が家族のどうたら〜を使って、生命の樹を撮っていましたが、今作は愛がキーワードになっています。愛がキーワードになっているからって、恋愛映画とかそんな気持ちで見始めると火傷します。あるカップルの恋愛映画というスタンスだと、どうしてもマリーナがメンヘラでクズ過ぎるし、ニールはニールで情けない顔(ベンアフごめん)でマリーナを見送りながら、ジェーンとやっちゃうし、結構なクズっぷりを発揮するシーンは「はあ?」って言いたくなる気持ちが出てきます。だからちょっと、恋愛映画ってスタンスでは楽しめないと思います。愛だけであれば、ハビエル・バルデムがあの役で出る必要がないですからね。
まあ「人はどんなに信じてても祈ってても罪はおかしちゃうし、告白しても告白されても苦悩苦悩の連続だよ、ジーザスクライスト!」ってまとめてしまえば楽だと思うし、僕の感想なんてこんなものでいいかな。
あと、映像作りは最初から編集しまくると思って、めちゃくちゃ撮影しまくってると感じられるくらいカットが多いし、基本的に綺麗な映像美で酔わせて人物はあまりしゃべらないで観念的な台詞が多くマリック節全力全開です。兎に角、マリック全開だし、前作よりも監督の意図が映画全体に感じられた。『ニューワールド』好きだったんだけど、その気持ちどこへ行ったかなーってマリック探しの旅に出たくなったな。