「ラストターゲット」、「ミスターノーバディ」を観ました。

やっと秋〜冬を体験出来るような季節になってきました。それでも例年より暖かいな‥‥。週末観た映画紹介します。ネタバレ有り

「ラストターゲット」監督:アントンコルベイン   dvdにて鑑賞 

 あらすじ: スウェーデン、ダラルナの森の一軒家で女性と一夜を過ごしたジャック(ジョージ・クルーニー)は、翌朝白銀の世界で何者かに狙撃される。間一髪で命拾いした彼は、狙撃手と連れの女性を同時に撃ち抜く。ジャックはイタリア・ローマに移動し、組織の連絡係パヴェル(ヨハン・レイゼン)に自分が突如襲われた理由について問いただすが……。
 感想:ジョージクルーニーですよ〜。ダンディーですなあ。この映画、娯楽映画と思いきや、そんなそぶり一切なく、ストーリー、映像からも何処か陰鬱な雰囲気が漂っています。この静寂な空気感に浸れる人はいいけれど、浸れない人は寝てしまうんじゃないでしょうか。僕は前者だったので、最後まで楽しめました。こういう空気感は大好物です。肝心のストーリーは、殺し屋というか武器改造してるジョージクルーニーが女に惚れて、足を洗うという苦悩をひたすら描いているのです。途中の暗殺者との攻防は、スリリングですが、基本的には何かおこる?おこらない?って言う雰囲気を味わう映画。イタリアで撮影してるんだけど、あんだけ静かだとこの世のものだとは思えませんね。頭可笑しくなりそう。只、なんとも不思議なのは、ヒロインはどうやって最後の場所に行けたのでしょうか?あれはジャックの幻想だったのかなーとか思ったりして‥‥。(タクシーでいったんだろうけどね)

「ミスターノーバディ」 監督:ジャコヴァンドルマル  dvdにて鑑賞(2回目)

 あらすじ:2092年、化学の進歩で不死が可能となった世界で、118歳のニモ(ジャレッド・レトー)は唯一の命に限りある人間だった。ニモは記憶をたどり昔のことを思い出す。かつて9歳の少年だったニモの人生は、母親について行くか父の元に残るかの選択によって決まったのだった。
 感想:今のところ間違いなく今年No.1の本作。6月にゴールド劇場で初めて観た時は、エンドロールまで余韻に浸り中々席を立てなかったのを覚えている。何故BDで発売されないんだと嘆きながらもdvdを購入。早速もう一度観てみた。少年時代のニモ、列車に乗ってさる母親についていくか、それとも親父と一緒に残るか‥‥究極な選択を迫られた少年の人生の選択の始まりである。誰とつき合って、どんな人生を過ごすのか、恐らく誰もが、そんな事を想像した頃があるだろう。このニモは実に3人とも結婚するし、結婚しなかったりもするし、火星にも行くわ、2092年まで生きてしまったりもする。しかし映画の凄いところは、これだけの選択があるのに最後までうまーくまとめているところ。バタフライ効果エントロピー、超ヒモ理論、宇宙大収縮‥‥全ての選択が一つに重なり合い、残酷さ、美しさを痛感出来る。しかし、最後まで見終われば、どこでどんな選択がしようとも素晴らしかったと(死んじゃうのはあれだけど)思わせる。誰しも考える「もしも」を追求した作品であり、誰もが後悔したことをポロっと思い出させてくれる。素晴らしい映像体験だった。