夏のおわり、えんどれすさまーーー。

今年は名古屋でお盆休みを過ごしたせいか、8月がすごく長かったように感じられました。長いからこそということはないかもしれませんが、夏のおわりって寂しいもんです。こんな時はVampilliaのendless summerでも聴いておセンチに。

そして今回、当ブログでは珍しく日記っぽいエントリー。おセンチになりながらも、今年の8月ラスト3連休をとりAnathemaだとか見てきましたよっ。


◼8月29日
新幹線で名古屋から東京へ。友人と東京オペラシティアートギャラリーで、鈴木理策写真展『意識の流れ』を見た。

本展では鈴木の新作および未発表作を中心に、写真作品約100点と映像作品3点を展示します。タイトルの「意識の流れ」は「見るという行為に身をゆだねると、とりとめのない記憶やさまざまな意識が浮かんできて、やがてひとつのうねりのような感情をもたらすことがある」という鈴木自身の経験に基づいてつけられました。鈴木のまなざしを追体験すること、それによって私たちは純粋に「見ること」へと誘われるでしょう。-イントロダクション(鈴木理策写真展 意識の流れ|東京オペラシティアートギャラリー)-

鈴木理策さんといえば熊野出身ということで『KUMANO』を発表したり、恐山で撮ったりしている人ですね。各部屋ごとテーマが決まっていて「White」では雪景色の連続写真をバーっと並べて、部屋自体が真っ白に感じられたり、森の中で水鏡(これが一番好きだった)を撮ったりしていました。写真を並べることで普段ならば意識から流れ出てしまったもの、それを「認識しよう」と思わせるような写真展だったと思います。

あと、同時開催していた故・波田龍起さんの展示。絵のことは知識はないんだけど、これはすごかった。水彩画が多かったのかな?アヴァンギャルドで迫力というより、奇妙な作品が多かったですね。ちょっと調べてみようかな…。


◼8月30日
二日目は実家でプリキュア見てから新宿ピカデリー『バケモノの子』の二回目。説明過多だとか、台詞で説明しすぎるって指摘が多いけど、正直って過多なのは闘技場での猪王山「最悪だ」くらいじゃないかな。さすがにあれは流れぶち壊すから叫んで頭抱えるだけの方が良かったと思うんだけど、あとはステレオタイプな「親と子」の話をしたいのだろうから、言葉が多いってのは全然アリだと思う。あとは楓に関して、彼女はキャラの中でも一番の「役割」的な存在であって、細田守はあの子にほとんど思い入れがないと思う(予想)。最後のバケモノの世界で出てくるのはクドいというか、気味の悪さもあるんだけど、まあご愛嬌で。イビツな作品だからこそ、ちょっと惹かれてる部分あるかもなあ。

そのあと髪を切りに行って、夕方から新宿アンチノックで「WAR ENSEMBLE vol.7」見てきた。久々にメタル色の強いイベント。

先頭打者は今年出た3Way spilt『スラッシュ大殺界』が好評の栃木のDEATHBLAST(初見)。音源では少しローファイ気味の印象があったんだけど、ライヴではクリアでアタック感の強いゴリゴリのサウンドでびっくりした。久々にかっこいいスラッシュ聴いたなあ。
二番手は東京のクラスト/グラインドコア DISGUNDER!相変わらず、弦楽器隊のノリノリパフォーマンスは超かっこいい。特に信二さんの立ちっぷりのかっこよさ。DEATHBLASTとは違い、クラストパンクっぽさを感じる音作り。鬼ブラストをかまし続けるドラム。ステージ内を駆け巡る弦楽器隊。そしてAnnaさんの凶暴なボーカルが絡み合い混沌が襲ってくる。久々みたけどかっこいい。Destruction Overkill!!
三番手はスケートコアとスラッシュメタルクロスオーヴァーROSEROSE!これまた久々に!もういうことない。かっこよすぎるんじゃ。
四番手は川越のデス/スラッシュメタル兀突骨!二年ぶり。このバンドのファン層が面白いよね。年上から男性〜女性ごった煮。元defledってのもあるけど、評判に見合うだけの各メンバーの実力が証明しているんだと思う。それと「ありがたき幸せ」でお馴染みのMCが面白いところか笑。ギターが変わってから初めてみたんだけど、デス/スラッシュというかギターの先生(本当にギター講師らしい)のようなお手本的ギターパファーマンスでうっとりみてしまったw 終始笑顔を絶やさないプレイスタイルはこれは「モテる」と感じたのでした。
トリ前はドゥーム/ストーナーNEPENTHES!これまた久々!メタル色強いイベントだったにもかかわらず異色な組み合わせでしたが、一番ノリノリになってしまった。アルバム出すんだったっけな?これまた楽しみです。
そしてトリはメロディックデスメタルバンドDEATH HORN!かっこいいハードでコア〜〜〜な雰囲気も感じるメロデス。邪悪なサウンドながら「美」も感じられかっちょいいー。


◼8月31日
おわりだサマー、お疲れサマー、とか言っているうちに真打ANATHEMA!!恵比寿リキッドめっちゃ久々。まず前座はアイスランドのポスト・プロルグレッシヴ・メタル ロックSOLSTAFIR!これが会場どよめかすくらいかっこよかった。次のANATHEMA大丈夫だよな…とかいらぬ心配をしてしまうほどいいライヴでしたね。ボーカルが立ち見エリアまで来たりと若干の戸惑いも感じましたが笑。いいライヴでしたよ。

Otta

Otta

そして、Anathema!!!一曲目は昨年発売された『Distant Satellites』からANATHEMAを演奏。会場がすでにヒートアップの中「スタンドアップ!!」強制的に指定席の人も立たされ、『Weather Systems』から超名曲Untouchable Part,1を演奏。観客も完成の嵐!そこからUntouchable Part,2でリー・ダグラス姐さんの美声がリキッドルームに鳴り響き、幻想的な世界が見え隠れ。Anathemaが作り出す世界観からか、ステージとフロアという境界が次第に曖昧になっていく…。この場所、この時間、Anathemaを見ているんだ…。現実とは思えないような空間が確かにここにあると。
そして、Thin Airを挟み最新アルバムからThe Lost Song Part 1、The Lost Song Part 2、The Lost Song Part 3と立て続けに披露。もう、この世界にはAnathemaしかいないのだ。普段どんなに社会で過酷なお仕事と戦い続ける戦士たちもこの日ばかりは、すべてが浄化され人間以前の「人」へ帰っていく…。名曲の勢ぞろいながら、おわりというやつは来るもので最後はCloser。ノイズ混じりのギターの音色とエフェクトがかったヴィンセントの歌声が強烈。
ここで終わるものかと大歓声と拍手のアンコール。アンコール一曲目はアルバムのタイトルソングのDistant Satellites。そして、お次はリーダグラス姐さんの美声が轟くA Natural Disaster。ここで照明を落として観客たちが携帯電話のライトで「光」を演出する。携帯がリウム海…とは言い難かったが、会場全体が高鳴る瞬間を感じた。そして、ラストは中期の名曲Fragile Dreams。言うことない最高だった。

やはり後期のプログレにシフトしたアルバムからの曲ばかりでしたが、何物にも代えがたい素晴らしい体験でした。チラシをもらったのですが、10月30日に『ア・ソート・オブ・ホームカミング』というタイトルで今年のリヴァプール大聖堂で行ったライヴの映像作品が発売されるらしい。近々に情報アップされるんじゃないかな。さよならサマーな夏おわり。

 -セットリスト-
1. ANATHEMA
2. Untouchable Part, 1
3. Untouchable Part, 2
4. Thin Air
5. The Lost Song Part 1
6. The Lost Song Part 2
7. The Lost Song Part 3
8. A Simple Mistake
9. The Beginning and the End
10. Universal
11. Closer
 アンコール
12. Distant Satellites
13. A Natural Disaster
14. Fragile Dreams

Distant Satellites

Distant Satellites

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